
たけのこのアク抜きを簡単に行う方法!米ぬかなしで出来ます。
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タケノコの嫌な点として、アク抜きがめんどくさい!という声をよく聞きます。
買ってきてすぐ食べられなくて、下処理が必要!となると人によっては手間と感じられると思います。
また、アク抜きでよく使われる「米ぬか」ですが、今では馴染み薄いものでしょう。
確かにタケノコには独特のえぐみがあり、アク抜きは必要です。
しかし、ちまたで言われているよりも簡単にできる方法がありますので、ご紹介します。
そもそも灰汁(アク)とは?
まずは基礎知識として、
食べ物で言われるアクとは、食物に含まれる、えぐみ・渋み・苦みなど不快で不要な部分の総称だそうです。特定の成分を指している言葉ではありません。
なので、色々な食材でアク抜きを行いますが、厳密にいうと除去している成分は違います。
また、アクと風味はリンクする事が多く、抜きすぎると旨味が消失する原因にもなります。
たけのこのアクは??
タケノコは竹になる成長途中の状態を食べます。そのような植物は、遊離アミノ酸や還元糖などの代謝物をたくさん含みます。
この代謝物がタケノコの旨味につながる訳なんですが、収穫直後から酸化がはじまり、だんだんとえぐ味に変わっていきます。
これがタケノコのアクです。
アクの成分はアミノ酸のチロシンが酵素により酸化した「ホモゲンチジン酸」と呼ばれるものです。
タケノコ農家が行う簡単なアク抜きの方法は?
代々タケノコ農家である我が家で、
実際に行っている「アク抜き」の方法をご紹介いたします。
❶まず包丁で縦に切れ込みを入れ、外側の皮を全部むきます。
❷その後、鍋にたけのこがすべて浸かるまで水を注ぎ、1時間程度ゆでます。
酵素により酸化されてアクが出てくるので、出来る限り早く加熱して、酵素を壊します。
これによりアクの産生を止められます。
(※串やお箸をさして、柔らかくなるまで茹でるようにしてください)
❸火を止めてから、そのまま半日程度放置し、アクを抜き続けます。
アクの成分であるホモゲンチジン酸は、水に溶けていく性質を持っています。水につけておく事で溜まっているアクがタケノコから流れていきます。
❹水洗いし、ボールなどに水を張りつけておきます。30分置きに2~3回程度水を入れ替えて終了。
以上で終了です。基本は水から茹でて、放置しておくだけです。
米ぬかやトウガラシは?
米ぬかやトウガラシは、タケノコのアク抜きでよく使われるものですが、実は科学的な根拠はありません!
一応、米ぬかはアルカリ性なのでアクを抑える事が期待できる。トウガラシは辛さによりエグミを紛らわせる事を期待しているなどが言われているようです。
たけのこを購入された後にすぐ処理を行って頂ければ、上記記載の水だけ処理で十分です。少なくとも我が家では代々この処理で十分に美味しく頂いています。
これでもメンドクサイ場合は・・?
油で炒めると、コーティングされ、えぐみを感じにくくなります。
アク抜きなんかしてらんないという方は、油で炒めて濃いめの味付けをしてあげれば、そのままでも食べて頂けます。
まとめ
我が家で実際に行っているタケノコのアク抜き法をご紹介しました。
加熱し茹でる事と、その後水に浸ける事が重要です。
加熱=アクの新たな産生を抑える
水に浸ける=今のタケノコにあるアクを抜く
代々タケノコの栽培を行い、受け継いできた処理方法です。
美味しく食べれる処理の仕方であると思います。
私たちが生産・販売している京都府乙訓の「乙訓タケノコ」は、タケノコ畑と呼ばれるほど年間の手入れを欠かしません。そのため、そもそもエグミや苦みが少なく、柔らかい食感です。
アクが気になる方や、えぐ味が苦手という方は一度お試ししてみて下さい!